「門前とらや」で飲める!希少なすべてガラスのラムネ瓶『柴又ラムネ』

葛飾区・柴又には歴史ある建物やお店が多く残っています。
帝釈天周辺の寺院や商店が広がるエリアは「葛飾柴又の文化的景観」として、平成30年に都内初の国の重要文化的景観に登録されました。

何百年と年月が経った現在でも、当時の景観を残そうとしている地元の方々の努力が感じられる風景です。
伝統や技術を長くこの世に残しておくのは年々難しくなってきています。
今回は語り継いでいきたい、柴又の歴史ある商品をご紹介します。

柴又といえば「とらやの草だんご」

平日土日問わず多くの観光客でにぎわう帝釈天・参道。
ずらりと並ぶ商店の中でも、柴又を訪れる人々が必ず立ち寄ると言っても過言ではないお店があります。


「門前とらや」
柴又と言ったらとらやの団子と思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
明治20年創業。今年でなんと134年目という老舗中の老舗です。

「門前」とは“もんぜ”と読み、門の前や周辺という意味です。
当時から帝釈天の門前には参道が広がっていたということが店名からわかりますね。


「門前とらや」といえばやはり“草だんご”。
参道の中には他にも数店舗おだんごの人気店がありますが、こちらはなんと“草だんご”一筋。
草の香りが爽やかで甘さ控えめの餡子がバツグンに合う“草だんご”は、お土産にも良し、食べ歩きにも良しの柴又名物です。

おだんごとラムネでタイムスリップ

今回はある飲み物と一緒にいただきたかったので、店内で食べることにしました。
それはこちら『柴又ラムネ』。


『柴又ラムネ』は昭和38年から柴又の住宅街にある工場・大越飲料商会で作り続けられているラムネです。

注目すべきは“ラムネ瓶”。
飲み口の部分まですべてガラスで作られているんです。
瓶のままいただくと、飲み口がひんやりとしていてラムネののど越しがとても良く感じます。
おだんごと一緒に食べるとなんだか懐かしい気持ちになってきます。

店内に置いてある冷蔵庫もなんだかとってもレトロ。
まさにタイムスリップしたような感覚になることができます。

都内で唯一、すべてガラスで作るラムネ瓶

この『柴又ラムネ』は先ほどお伝えしたと通り、飲み口もすべてガラスでできています。
近年作られているラムネ瓶は、飲み口はプラスチックで作られているのがほとんど。
すべてガラスで作っているのは都内でも唯一。


なぜ珍しいのかというと、ガラス瓶の製造が約30年前に打ち切られているのです。
それから大越飲料商会では瓶を再利用して製造しているのですが、その瓶も現在で残っているのは約500本ほど。
瓶の中のビー玉は傷がつくと栓が閉まらなくなるため、すべてガラスでできた瓶だと取り除くことができません。
そのため瓶自体の寿命は約2年といわれています。

瓶の数が大変限られているのもありますが、今年はコロナウイルスの関係で1番の繁忙期である夏にお祭りが開催されなかったため、売上も厳しい状況。
夏の風物詩ともいえるラムネですが、姿を消してしまうかもしれないのです。

柴又周辺でしか味わえない大越飲料商会の『柴又ラムネ』

『柴又ラムネ』は参道や周辺の飲食店で同じ名前のプラスチック製も販売されています。
なので、大越飲料商会が作るガラスのラムネと間違える方も多いそう。
「門前とらや」ではガラスのラムネ瓶と出会えるので、ぜひ飲み口の違いや飲み終えた後のビー玉の音を聞いてみてください。

今回は語り継ぎたい柴又の歴史あるラムネ瓶をご紹介しました。

門前とらや
住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7-7-5
アクセス:京成金町線柴又駅から徒歩3分
電話:03-3659-8111
営業時間:月曜日~金曜日10:00~17:00/土曜日、日曜日、祭日 9:00~17:30
定休日:不定休

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。