創建600年を誇る平安時代の歌人在原業平ゆかりの寺院!金町・業平山 南蔵院

東京都葛飾区の寺院といえば「柴又帝釈天」が有名ですが、帝釈天のほかにも、葛飾区には由緒正しい寺院が多数あるのをご存じでしょうか。

今回は、在原業平ゆかりの寺院であり、大岡裁きで有名なお地蔵様が安置されている「業平山 南蔵院」をご紹介いたします。

隅田川の様子を表した境内

葛飾区東水元にある「業平山 南蔵院」は、金町駅から徒歩でおよそ16分ほどの場所にあります。バスを利用すれば「しばられ地蔵」バス停から徒歩2分で到着します。

平安時代、在原業平が隅田川で舟遊びをした際に船が転覆してしまい、多くの人々が亡くなりました。在原業平は亡くなった人々を弔い、法華経を写経して塚に納めました。そのかたわらに創建されたのが南蔵院です。

南蔵院は東京都墨田区押上の業平橋付近にありましたが、関東大震災の後、葛飾区東水元へ移転したそうです。

南蔵院の境内は、隅田川の様子を表しているとのこと。
白御影の砂利は隅田川、参道は業平橋、右側にある石は業平の舟石を表しているそうです。

きれいに整備された境内に足を踏み入れると気持ちもおだやかになります。

樹齢450年の貴重な老松

南蔵院の本堂の前には、樹齢450年とも言われる「霊松・聖徳の松」があります。
とても見事な枝ぶりです。

貫禄のある幹には力強さを感じます。

こちらは本堂、釈迦如来がご本尊として祀られています。

南蔵院がこちらに創建される前は、聖徳寺という寺院があったそうです。
聖徳寺には本尊として「聖徳太子像」が本尊として安置されていました。
現在は聖徳時の本堂の一部を八角堂に建て替えて修復された「聖徳太子堂」に尊崇されています。

有名な縄で縛られたお地蔵様

南蔵院には、大岡越前守の名裁きで有名な「しばられ地蔵尊」が祀られています。
盗難除けや厄除け、縁結びなど、あらゆる願いごとを聞いてくださるお地蔵様なのです。

こちらは地蔵堂です。

地蔵堂のおとなりに安置されている「しばられ地蔵尊」、その名のとおり縄でぐるぐる巻きになっていますね。
祈願するときは縄でお地蔵様を縛り、願いが叶ったとき縄を解くという風習があるそうです。

毎年12月31日大晦日の夜になると「縄解きの供養」が行われ、解かれた縄がお焚き上げされます。一年に一度だけ、縄を解かれたお地蔵様の姿を拝むことができます。新年の願いを託すために新しい縄が結ばれるため、お姿を拝見できるのはわずかな時間だけです。

大晦日と元日には願いを込めながらお地蔵様を結ぶ「結びだるま市」も開かれます。

参拝後は気分も晴れやかに

比叡山延暦寺から奉戴されたという「開運の鐘」。大晦日には除夜の鐘としてその音を聞くことができます。

かわいらしい牛の石像も。牛にまたがると出世できるそうです。

訪れたのが平日だったこともあり、静かにゆったりと参拝することができました。
歴史に思いを馳せるのにぴったりの寺院です。
願いごとがある方はぜひ一度、縄で縛る願かけをしてみてはいかがでしょうか。

業平山 南蔵院
住所:東京都葛飾区東水元2-28-25
アクセス:JR常磐線(東京メトロ千代田線直通)「金町駅」下車
     南口バスターミナル4番から京成バス(金61)
     又は(金63)「しばられ地蔵」バス停、下車徒歩2分
TEL:03-3607-1758
開門時間:9:00-16:00

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。