昼飲みから夕ご飯まで、金町っ子の胃袋を支えるザ ・下町食堂「ときわ食堂」

下町ではレストランや食堂といった、なんとなくレトロなお店が現役だったりします。

レストランは洋食、食堂は和食というイメージですが食堂の方がより気軽な感じがします。

高級レストランというのはありますが、高級食堂というのは聞いたことがありません。

さて、柴又さんぽでもレストランは何軒か紹介されていますが、食堂はまだありませんね。

柴又近辺には食堂はないのでしょうか…

いいえ、金町にいいお店がありますよ。

ときわ食堂です。

よくありそうな名前ですね?

はい、そうなんです、実際にどこか他の町でも見たことある方もいるのではないでしょうか?

こちらのときわ食堂、都内を中心に複数店存在しますが、そのほとんどは東京ときわ会という団体に所属しています。

ときわ会ってなに?

ときわ会、ときわ食堂の歴史は少々入り組んでいますが、簡単にかいつまんでご紹介したいと思います。

ときわ食堂の歴史

ときわ食堂のルーツをさかのぼると、明治、大正時代に上野、浅草で隆盛を誇っていた「常盤華壇」という料亭に辿り着きます。

そこの食堂部門を担当していたのが「ときわ食堂総本店」でした。

大正11年、現在のスカイツリーのあたりに、ときわ食堂第5支店が創業。その第5支店が昭和21年、浅草に移転しました。

この浅草の第5支店からはおよそ12の暖簾分け店舗が誕生。巣鴨や亀戸といった、メディアでも度々取り上げられるときわ食堂も浅草店からの暖簾分けになります。

総本店と第1〜第4支店は現存していません。
ですのでこの第5支店が現在のときわ食堂の総本店となり、東京ときわ会の総本店となっています。

そして町屋店からさらに暖簾分けしたのがここ、ときわ食堂金町となるわけです。

毎日でも通えるキングオブ食堂

まず入口には今月のおすすめが紹介してあります。

当然これだけではありません。

中にはもっとメニューがあります。

単品メニューは300円台、400円台が中心

定食も700円台が中心です。

しかしテーブルのメニューだけでも収まりません。壁にも選びきれない程の短冊メニューがあり、ホワイトボードにもメニューがあります。本当に目移りするくらいたくさんあって決められません。

席に着くとまず「お食事ですか?」と聞かれます。

なるほど、よく見ると1階は昼から飲んでる常連さんで埋まっています。

相席ではなく、お一人様でも悠々と4人がけテーブルを使っています。

ベテラン女性店員さんたちは忙しなくテキパキと動き回っていますが、客席からはゆったりとした空気が流れています。

2階もあるのでお食事のお客様はどんどん2階に案内されます。

安定の定食メニュー

この日は日替定食の、煮込み・ミニハンバーグカレー・佃煮 600円を頼まれる方が多かったです。

定食屋のカレーもとても気になります。でも私は今月のおすすめ定食に惹かれました。

中おち三色丼 630円

●マグロ中おち
●しらす
●山芋

3種類の海鮮丼です。

おいしいです。海鮮丼屋のどんぶりよりずっしりときます。
おそらく本物の中おちを使っているからでしょう。

中おちは、マグロの中骨の周りにあるといわれていて、冷凍のマグロだと解凍したときに身が骨にくっ付いて取れなくなります。実は非常に希少な部位なんです。

つまりここのマグロは冷凍マグロでは無いということになります。

海鮮丼屋の方が軽くサクッと食べ終わる感じがしますが、こちらの方が、食べた!という感じがするのはなぜでしょうか。

別日に伺ってみました

ときわ食堂はなんと朝9時から開店しています。
夜も22時まで営業しており、朝食、昼食、夕食はもちろん、昼飲み、夜飲みもできちゃいます。その気になれば朝飲みだって出来ちゃうかもしれません。本当に用途は様々です。

別の日もランチで伺ってみました。

今日の日替わり定食が何かを見るのも楽しみの一つです。

今月のおすすめ定食
●ゴーヤ入り野菜カレー
●若鶏トマトソース煮定食
●中おち丼定食

日替わり定食
●煮物盛

サービス定食
●中おち長芋たたき丼

う〜ん、
好みとしては若鶏トマトソース煮だけど、ここはひとつ、煮物にしてみますか?

我が家も日本食離れが進んでいて、煮物なんて家では絶対に作らないので、こういう機会がないと中々頼みません。頼むなら今でしょ?

1階は相変わらず呑兵衛の常連さん達の専有席状態になっていましたので、この日は2階に案内されました。

2階にはテーブル席、そして奥には座敷がありました。

学生さん、サラリーマンの皆さん、現場系の人たちが入れ替わるように出入りしますが、うまい具合に満席にはなりません。

テーブル席では女子たちが昼飲みをしていました。

ここは、金町センベロツアーの0次会として利用される方も多いようです。

煮物盛り

●大根
●竹の子
●焼豚
●こんにゃく
●かぼちゃ

それに、ホキ唐揚げ、豆がら佃煮、漬物、ご飯、味噌汁、朝食のりまで付きます。

煮物にして正解でした。外食だと味が濃いものが多いので、久しぶりの優しい味で、体の芯から喜んでいるのがわかります。
こういうのはやはり家では作れません。

2013年に和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録されましたが、和食の真髄は引き算だなぁとしみじみ思いました。

学食とか社食とかもそうですが、やはり食堂は毎日通っても飽きないということが基本ですね。

ラーメンでも1000円を超えようとしている昨今ですが、ほとんどの定食メニューが600円台、700円台というのは嬉しいです。まさに金町住民の胃袋を支えています。

こういう食堂がある町は幸せですね。

ハレの日だけではなく、普段使いにとっても便利なみんなの食堂です。

別日。
入りませんでしたが通りがかりにメニューだけ見てみました。

●ゴーヤ入り野菜カレー
●豚肉ピリ辛味噌焼肉丼
●ハムカツ
●サバ塩焼き定食

料理のバラエティーはなんと100種類くらいあるそうです。

ときわ食堂は永遠に不滅です。

ときわ食堂 金町
住所:東京都葛飾区東金町1丁目19-10
アクセス:JR常磐線「金町駅」から徒歩約4分
京成金町線「京成金町駅」から徒歩約5分
TEL:03-3627-8043
営業時間:9:00〜14:30/17:00〜22:00
定休日:水曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。