昭和の香りが漂う金町の老舗もつ焼き屋「みやご」

金町駅は、南口に近代的なタワーマンションがそびえ立ちますが、路地裏には栄通りという昭和の居酒屋が連なる通りがあります。

対して北口には飲食店はたくさんあるものの、昭和の佇まいを残す酒場となると、意外とないかもしれません。

しかし、そんな北口の繁華街の端っこに一軒、あるんですねぇ…

今回ご紹介するのは、もつ焼きみやごです。

どうですか?いい顔していますよね?
お店が明るく輝いてませんか?

前を通ると、早い時間から炭火のいい香りが漂っています。

こちらのお店、金町駅からは徒歩6分と、それほど遠くはないものの、中心地からは離れており、なかなかここまで飲みに訪れる人は少ないです。

しかもこのお店、つい最近まで食べログの口コミ0件でした。まさに穴場中の穴場です。

口コミ0件って、初めての人にとってはちょっと入るのを躊躇しますよね。

でも、先に言っておきましょう。全然心配ありません。お一人様でも気軽に入れます。

ではさっそく、暖簾をくぐってみましょう。

きれいに整頓された店内

お店の中はコの字カウンターのみで、白髪が鮮やかな角刈りの主人が一人で切り盛りしています。

割烹着姿で、少し怖そうな雰囲気もあるのですが、見た目の印象とは違って物腰柔らかい優しいご主人です。

しかも男性1人でやっているとは思えないくらいお店の中がキレイなんです。こういう古いお店には珍しい、清らかな空気さえ感じます。

まずはハイボールをいただきます。

ハイボールはウイスキーの炭酸割りが一般的ですが、下町ハイボールは焼酎と炭酸になります。

皆さん「ボール」と呼んでいます。

キチンとボイルされた、絶品の生もつ

スターターは「なまもの」からいただきます。

なまものとは言っても、どれもボイルされて下処理されています。

コブクロを頼んでみましたが、コブクロはなかなか入荷しないので、この日は食べられないとのこと。

ならばオススメは何かをご主人に聞くと、今日はアブラ(ボイル)が良いとのこと。さっそくいただきます。

脂がのっているのに、シャキシャキとした歯応え。丁寧な仕事ぶりを感じます。そして酢味噌も美味しいんです。自家製でしょうか?酸味と旨味のバランスがとても良いです。

シンプルながらも絶妙な味わいのもつ焼き

まず、もつ焼きを注文するときのルールですが、4本縛り、つまり最小4本単位での注文になります。下町のもつ焼き屋でよくあるパターンです。

同じ種類4本でも、違う種類2本ずつでもOKです。

タンが残り1本とのことでしたので、
タンとカシラ、それぞれ塩でいただきます。

タンはコリッとしておいしいです。
カシラも絶妙な塩加減、まるでスルメのように噛めば噛むほどに味わいが広がります。

2杯目はサワーをいただきます。

次に、アブラとテッポーを2本ずついただきます。

まずはテッポーですが、外はシロや皮のようなしっかりとした歯ごたえですが、噛むと中からフワっとした柔らかい食感が現れます。まさに職人技がキラリと光ります。

そしてアブラです。「さっき頼んでいたなまものと一緒だよ」とご主人に言われますが、焼き立てのお肉の香りがして、焼きもおいしいです。

「同じもんなんだけど、焼くと違うでしょ?」とご主人。両方食べる価値ありです。

そして、みやごでのシメはつくね。ご主人に勧められるままに塩でいただきます。

つくねをタレではなく塩で食べたのはここ、みやごが初めてだったような気がします。塩を勧めるのは本当に自信がある証拠です。

熱々のうちに食べる塩つくねが最高においしいです。

久しぶりに来ましたが、前回来たときよりも更においしく感じました、おいしいだけではなく、とても幸せな気分になりました。

噛むほどに、訪れるほどにおいしさが増す、本当の職人が焼くもつ焼きです。

「テッポーおいしかったでしょ?腕だよ。よそでテッポー食ってごらん?」

帰りがけに声をかけてくれたご主人の笑顔がとてもチャーミングでした。

テッポーと塩つくねは必食です。

シンプルでおいしい、本当のもつ焼きが味わえるお店、みやごです。
ぜひ一度お立ち寄り下さい。

みやご
住所:東京都葛飾区東金町1-16-2
アクセス:JR常磐線金町駅北口から徒歩6分 京成金町駅から徒歩8分
電話:03-3609-3315
営業時間:月曜日~土曜日 17:00-22:00
定休日:日曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。