みなさんは「矢切の渡し」をご存じでしょうか?
葛飾区にお住まいの方はご存じの方が多いと思います。
江戸から続く矢切の渡しの歴史
「矢切の渡し」とは、葛飾区とお隣の千葉県・松戸市の間を流れる江戸川を結ぶ渡し船のこと。
始まりは江戸時代にさかのぼります。
対岸の農地への移動や日用品購入などを目的とした、川を渡るための手段として、利根川と江戸川に徳川幕府が設置した渡し場のうちの1つが「矢切の渡し」でした。
渡し船自体は当時の交通手段として頻繁に利用されていたのです。
葛飾区民と松戸市民の“足”であった「矢切の渡し」が一躍有名になったのは、明治39年。
当時の雑誌に掲載された、伊藤左千夫の名作「野菊の墓」。
男女の恋の物語ですが、矢切を舞台に描かれました。
さらに全国に名前が知れ渡ったきっかけは、昭和57年。
現在もご活躍されている歌手・細川たかしさんによる歌謡曲『矢切の渡し』が大ヒット。
そして映画『男はつらいよ』が公開されたことで柴又周辺は観光客で大変にぎわいました。
実際に乗ってみました
現在都内に唯一残っている渡し船は「矢切の渡し」だけ。
私は生まれも育ちも葛飾区ですが、いままで存在は知っていましたが実際に乗ったことはありませんでした。
今回初めて乗りに行ってみました。
柴又側から乗る場合は、帝釈天の横を通る道路を江戸川方面にまっすぐ進みます。
土手にぶつかるところで案内の看板が立っているのでわかりやすいです。
土手を超え、さらに川沿いへ向かうと目に入る大きな旗が目印。
草が生い茂っており、ここで合っているのかと少し不安になりますが、しっかり「矢切の渡し」と書かれた看板が刺さっていました。
営業時間、運賃、乗り方などは手書きで書かれた看板をチェック。
また、葛飾区公式サイトにも掲載されているので、事前に確認することもできます。
3月中旬~11月までは平日、土日関係なく毎日運航しています。
松戸市側で降りる場合は片道200円、往復は400円。(子どもは半額)
往復で約15分ほどなので、今回は往復の旅にしました。
出航時間は特に決まっておらず、利用者がいればその都度運航してくれます。
さっそく乗り込んでみると、なかなか小舟に乗る経験がなかったので川の水の近さに驚きました。
途中、大きな鳥が羽根を休めているところに出会えました。
魚が飛び跳ねる場面も見ることができ、生き物の多さにも改めて気づくことができました。
船頭さんの独特で面白い小話を聞きつつ、のどかな船旅はとてもリフレッシュすることができます。
おすすめの柴又土産
渡し舟を楽しんだあとは、寄っていただきたいおすすめのお店があります。
帝釈天の参道にある和菓子屋「代々㐂菓子店」。
こちらでは小舟の形をした『矢切の渡しもなか』を販売しています。
中身はこし餡・つぶ餡・しろ餡の3種類。
今回は500円のお得な5個入りを購入しました。
サクサクのもなかに、甘さ控えめな餡子がぎっしりと詰まっています。
ちなみに『寅さんの故郷もなか』もあり、柴又土産にはぴったりなのでおすすめ。
天気の良い日はせひとも立ち寄っていただきたいスポット「矢切の渡し」。
都内では体験できない特別な時間をお過ごしください。
矢切の渡し
住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7-18先
アクセス:京成金町線柴又駅から徒歩10分
電話:047-363-9357
営業時間:夏季(3月中旬~11月):毎日運航/10:00~16:00ごろまで
冬季(12月~3月):土日祝日及び庚申の日のみ運航/10:00~16:00ごろまで
料金:大人片道200円、子ども片道100円
代々㐂菓子店(代々喜)
住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7-7-7
アクセス:京成金町線柴又駅から徒歩2分
電話:03-3671-9568
営業時間:10:00~17:30
定休日:不定休(7月末、8月末夏期休業有り)