最近のラーメンはどんどん進化していて、いろんなタイプのラーメンが登場しています。
私も全然追いつけません。
家系、二郎系、大勝軒系、ラーショ系、淡麗系、鶏白湯系…。
気がつけば巷にはさまざまな「系」が存在しますが、「ちゃん系」ということばを聞いたのは今回が初めてでした。
ちゃん系?
そんな、ちゃん系と思しき店舗が亀有にあると聞いて、今回訪ねてみました。
それが「中華そば 一辰」です。
ちゃん系ラーメンってなに?

ちゃん系ラーメンとは、神田の「神田ちえちゃんラーメン」を源流とし、新宿の「えっちゃんラーメン」、池袋の「ひろちゃんラーメン!」など、名前に「ちゃん」がつくラーメン屋のことを指します。
「ちゃんって付いてないじゃん?」
確かに一辰ちゃんではありませんね。
でも「ちゃん系」にはそれ以外のいくつかの特徴がありますので整理してみます。
- 外観は赤い看板に白抜きの文字。
- 「中華そば」「もり中華」という言葉が並んでいる。
- 「味の店」「切り立てのチャーシューが抜群!」などのキャッチコピーがかかげられている。

まさに、ちゃん系じゃないですか!
「ちゃん系ラーメン」の見本のような外観です。
キャッチコピーは「ご飯が進む」と「亀有自家製麺」です。
ちゃん系ラーメンの特徴を続けましょう。
- カウンター10席前後のお店が多い。
- 「中華そば」や「もり中華」がメイン。
- 餃子のようなサイドメニューはなく、とてもシンプル。
- 850円から1,000円程度の価格帯。「中華そば」であれば1,000円を超えることはない。
- 「ごはんがよく合う」が特徴。
- ごはんが無料か、有料であっても100円〜150円程度。
- 卓上の調味料は刻みにんにく、こしょう、お酢がメイン。
- トッピングは、チャーシュー、ネギ、メンマとシンプル。
- チャーシュー麺でもないのに山盛りのチャーシューでおおわれている。
- スープは、澄んだ色の醤油スープ。
- 麺はツルッとした喉越しの平打ち麺。硬さはほとんどなくやわらかめ。
- 「ちゃんのれん組合」に加盟している。
ちゃんのれん組合に加盟していないのと、ちゃんが付いていない以外は見事に一致してそうです。
それでは入って確かめてみましょう!
中華そば 一辰の歩み
つねに変貌を続ける一辰のはじまりは2019年1月。
鶏ガラメインの醤油ラーメンが自慢のらーめん一辰として亀有中央商店街にオープンしました。
2023年7月13日に、現在の場所であるゆうろーど商店街に移転。新味醤油や泡白湯を主力にしてリニューアルオープン。
そして2024年8月22日、同じ場所で店内レイアウトそのままに、中華そば一辰として味のリニューアルをしたのでした。
リニューアルの理由は人手不足。
人手不足により臨時休業をせざるを得ない機会が増えたため、店主1人でもお客様に満足していただけるよう、1つのメニューに特化したとのことでした。
店内はL字カウンター9席のみ。
メニューは「ご飯が進む 中華そば」をメインに、中華そばのラインナップが8種類。

ご飯は120円です。
店員さんといろいろ色々お話させていただきましたが、お値段が手頃だということを強調されていました。
カウンター席のみのつくりや、リーズナブルな中華そばとご飯、トッピングは、チャーシュー、ネギ、メンマといったところは、ちゃん系の特徴を備えてますね。
他にワカメ、味玉のトッピングもあります。

初めての来店でしたが、私はネギ中華そば(980円)妻はザクネギ中華そば(880円)を注文しました。

店員さんいわく、おすすめはネギラーメンとのことでした。

卓上調味料は、刻みにんにく、お酢、七味、胡椒。
ちゃん系のお約束の調味料です。

チャーシュー切りたて、スープは朝炊き、麺は自家製!
ちゃん系の重要事項です。
ご飯が進む ネギ中華そば
しばらくして、私が注文したネギラーメンが到着しました。
ビジュアルからして、もうたまらなくおいしそうです!

スープは確かにあっさりとした醤油味のスープですが、ネギはパンチの効いたしゃきしゃきのネギです。
丼ぶりいっぱいのチャーシューの上に、さらにネギの中にもチャーシューの細切れが隠れており、これが実に良い食感でおいしいです。
麺は平打ち中太麺。若干柔らかめですが、つるつるとして喉越しがとても良いです。
平打ち麺…。
若干柔らかめ…。
麺も「ちゃん系」です。
ご飯が進む ザクネギ中華そば
妻のザクネギ中華そばが到着しました。

チャーシュー麺ではないのにチャーシューにおおわれています。
ザクネギが良いアクセントになっていますが、ネギラーメンよりもダイレクトに中華そばの味を味わえます。
澄んだ色のスープに、切りたてチャーシューの脂がのり、あっさりとした中に深みが加わります。
店員さんに、是非入口の自家製麺室を見てほしいと案内されました。

ちゃん系のれん組合では「達磨製麺」の麺を使用しているお店が多いようですが、自家製麺にこだわっている店舗もあります。

- 自家製麺
- ご飯が進む
この2つが一辰の最高のこだわりのようでした。
そして余談ですが、店内ではずっとBOØWYがかかっていたのも店主のこだわりかもしれません。
自家製麺は現時点で中華そば一辰の最高到達麺とのことです。
「ちゃん系ラーメン」と断定してもいいくらい、すべての特長を備えている一辰ですが、ちゃんのれん組合には加盟していないので、正式な「ちゃん系」の系譜ではないかもしれません。
しかしちゃん系ラーメンの特徴である「シンプルながらもこだわりに満ちた王道の中華そば」を十分に堪能することができます。
ちゃん系が好きな方も、ちゃん系がまだという方も、ぜひ亀有でこだわりの中華そばを食べてみてくださいね。
中華そば一辰
住所:東京都葛飾区亀有3丁目30-1
アクセス:JR常磐線「亀有駅」から徒歩約1分
TEL:03-6662-5306
営業時間:11:00-20:00
定休日:水曜日