町でよく見かける昔ながらの中華料理店。
昔は大衆中華料理店や中華屋等、色々な呼び名で呼ばれていましたが、最近では町中華という呼び名が定着しつつあります。
その理由の一つに、BS-TBSの人気番組『町中華で飲ろうぜ』の影響があります。
番組は2020年に柴又の四川と新華楼の二軒を訪れていますが、金町は紹介されていませんでした。
ところが先日、たまたまホームページを見ていたら、いつのまにか金町にも訪れているではないですか?
一軒は水元公園の住宅地にある千成亭と、もう一軒は金町駅近くの、しゅうまい屋です。
そんなお店あった?
金町は駅から離れたところにはたくさん町中華があるのですが、駅前には無かったはずです。
気になったのでさっそく探しに行きました。
ありました。
町中華というとやたら赤や黄色の看板が多く、昭和テイストのお店が多いですが、ここはちょっとスタイリッシュ。町中華というよりは新しいラーメン屋のようです。
間口も小さく、お隣の居酒屋の横に控えめに佇んでいるようです。
なるほど、だから今まで気づかなかったのかもしれません。
かつて上野にあった人気店が金町に移転
実はここ、かつては上野駅近くにあったそうです。
言われてみて思い出しました!
上野警察署の近く、昭和通り沿いのKinkosと養老乃瀧の間に、確かにありました!
でも随分昔のような気がします。
どうして金町に移転してきたのでしょう?
女将さんに伺ったところ、上野店はビル建て替えの為に立ち退きになったとのことでした。
「立ち退けっていうから出ていったのに何にも建ってないじゃない。未だ駐車場なんだから、やんなっちゃうわよね…」
聞けば、10年前に上野のお店をたたみ、金町にお店を出してもう9年になるそうです。全然知りませんでした。
ご自宅が金町なので金町にお店を出したそうです。
とってもチャーミングな女将さんと、厨房の奥で切り盛りする寡黙なマスター。
典型的な町中華のスタイルです。
店内は5人掛けテーブル1つ、4人掛けテーブル2つ、2人掛けテーブル2つの計5席。
ランチ時はすぐに満席になるようですが、この日は常連さん1名、女将さんと話しながらすでに飲んでました!
町中華で飲ろうぜ!
高田秋ちゃんが訪れたみたいです。
メニューを見てみます
屋号のしゅうまいよりまず1ページ目にあるのが麺メニューです。
黒濃ラーメンと海老塩ラーメンのツートップがメインのようです。
店名にもなっている焼売は、肉、海老、香鶏、韮の4種類。
ちなみに餃子はありません。ビールで飲る(やる)としたら、餃子ではなく焼売を頂くのがこのお店の流儀のようです。
夏季限定麺もあります。
その他一品料理と、壁にもおすすめの一品がありました。
メニューはそれほど多くなく、普通の町中華とは少し趣きが違う感じです。
看板メニューの黒濃ラーメンを食べてみる。
ネットの口コミをみると、しゅうまい以上に評判なのが黒濃ラーメンです。早速頼んでみました。
ん?
色は黒いですが味は基本の醤油ラーメンです。
そういえばここ、町中華の定番である醤油ラーメンがありません。つまりこの黒濃ラーメンが醤油ラーメンの代わりですね。
麺は中太のちぢれ麺、ベタつきが無く、つるつるとした食感がとても良いです。
メンマは色が変わるくらいしっかりと煮込んであります。更にチンゲン菜、刻みネギ、とろとろの焼豚。トッピングの一品一品にも店主のこだわりを感じます。
スープは後からほのかに魚介の香りもしてきますが、ラーメン屋のラーメンというよりは、ベースはやはり町中華のラーメンです。
非常に完成された深みのある正統派ラーメンです。
しゅうまいも頼んでみました
焼売は本格的なせいろに入って提供されます。
三色焼売
肉、海老、鶏の三種類のようです。
お味はどうでしょう?
●肉しゅうまい
本格的な中華料理店のホクホクの焼売といった感じです。他のお店の焼売よりも具材がごろっとしていて食感がとてもいいです。
醤油無しでそのまま食べても美味しいです。
●海老しゅうまい
プリプリの海老が入っています。具材にとてもこだわっているのがわかります。
●鶏の焼売
ん?パクチー?
スパイスか香辛料のようなものがアクセントになっています。よく見たら名前も❝香❞鶏焼売となっています。これは珍しいです。個人的には一番のお気に入りです。
そうこうしているうちに次々とお客さんが入ってきました。
意外にも常連さん達は海老塩ラーメンを頼んでいました。
これは気になります…
海老塩ラーメンを頼んでみる
後日またリピートして、今度は海老塩ラーメンとミニ麻婆豆丼を頼んでみました。
海老が6尾トッピングされていますが、最近流行りの海老のラーメンのような海老の香りはほとんどなく、深みのある上品な鶏スープといった味です。
ところが、海老を食べてみて唸りました。
海老がぷりっぷりです。しかも絶妙な下味がついていて、塩味のスープが海老のおいしさを更に際立たせています。
海老の風味を前面に出すスープではなく、まさに海老をおいしく食べるために計算されたスープといった感じです。
常連さんがリピートしたくなるのがわかります。
種類を増やさず、黒濃と海老塩の2種類だけというのも自信の程がうかがえます。
ミニ麻婆丼
普段はラーメンと一緒にご飯は頼まない主義なのですが、これはおいしそうだったので頼んでみました。
最近流行りの陳麻婆豆腐のような花山椒が効いた四川風麻婆豆腐ではなく、広東風のようなコクのある深い味わいです。
町中華レベルを超えて、高級中華料理店で出てきそうな麻婆豆腐です。
ここしゅうまい屋は、きちんと修行されたことがわかる、本物の中華がいただける町中華です。
厨房もきちんと整頓されていて、無駄が一切ないのがとても印象的でした。
また一つ、金町にいいお店を発見しました。
しゅうまい屋
住所:東京都葛飾区東金町1丁目13-13
アクセス:JR常磐線「金町駅」から徒歩約5分
京成金町線「金町駅」から徒歩約6分
TEL:03-3607-8100
営業時間:11:30〜14:00/17:30〜22:00
定休日:木曜日