皆さんはお酒が好きですか?筆者はよく近所にお酒を飲みに行きます。今回は、葛飾区、金町の中でも特にお気に入りの酒場を紹介します!
JR金町駅南口のロータリーから右手の道に入り、二本目の角を左折すると、威風堂々とした見事な暖簾が目に入ります。
良い顔してますね。でも初めての人は少し勇気がいるかもしれません。
一見さんに優しい深川酒場
中に入ります。右にカウンター
左に小上がり
下町酒場によく見られるコの字カウンターはありませんが、BGMにうっすらと演歌が流れており、まるで北国に来たような情緒を感じます。
創業は1967年(昭和42年)。もともとはご夫婦でお寿司屋さんとして始められたそうです。昭和60年に当時50歳だった旦那さんを亡くし、それ以降はお母さんがお店を引き継ぎ、大衆酒場になったとのこと。
さらに、14年間一緒に切り盛りしてくれていたパートナーの女性が残念ながら2020年に亡くなってしまい、今はお母さん一人で切り盛りしています。
なので、注文するタイミングが難しいんです。
特に小上がりに上がってしまうと、お母さんが来たときにいっぺんに頼まないと、次いつ来てくれるかわからない。
でもあまりにもいっぺんに頼むとお母さんも覚えきれない。
「書かないと3歩歩いただけで忘れちゃうから…」とお母さん。
でも紙を持ってくる様子もない。ちゃんと覚えているんです。
御歳83歳。とても83歳には見えません。
頭もシャキッとしているし、言葉もハキハキしています。たまにゴルフにも行っているみたいで、60代にしか見えません。
一人で厨房、ホールを切り盛りするお母さんを助けるように、常連さんたちも小上がりにお通しを運んだり、食べ終わった食器を運んでくれたりします。
ネットでは「常連さん達が優しい」というコメントが多くみられますが、本当にその通りなんです。
そしてなによりも一見さんに優しい。
常連さん達はみなお母さんの人柄に惹かれて来ている人達ばかりなので、初めての人でも温かく迎えてくれる、本当にアットホームな酒場です。
お母さんにしか出せない味
深川酒場の魅力は、なんといってもお母さん手作りの料理の数々。
メニューは日替わりで、ホワイトボードに書いてあります。
その中でもとくにオススメなのは、お母さん自慢の煮物です。
「料理は引き算だから」というお母さんが作る煮物は、これ以上でもこれ以下でもダメという絶妙な味付け。10年、20年修行してきた人でも出せないであろう完璧な一品です。
そして深川酒場のお刺身。
もともと実家が三島の魚屋だったというお母さん。
魚の目利きは間違いありません。
焼き魚、煮魚もおいしいですよ。
ほっけやカマ、銀鱈など、仕入れはその日によって変わりますが、何を頼んでも脂の乗りがよく、塩加減も完璧です。
栃尾揚げも、醤油なしでおいしいです。
焼売はほくほくです。専門店の焼売よりおいしいかもしれません。常設メニューではないのであったらラッキーです。
肉料理も、日によって変わります。豚の舌は塩加減が絶妙で、酎ハイとよくあいます。
そしてシメはつくね!
つくねを塩で提供するお店は珍しいですよね。とにかくおいしいです!
いつまでも残ってほしい、金町の名酒場
深川酒場は、土日祝日はお休みです。
お母さん一人で切り盛りしているので、平日も早く開店して早く店じまいします。
だいたい二巡目のお客さんが終わる21時頃が閉店の目安ですが、お客さんがいなければそれより早く閉めてしまいますし、逆にお客さんが残っていればもっと遅くまで開いています。
運がいいとこんな間近で暖簾が見られますよ。
3人の子ども達も、お店を継ぐつもりはないとのこと。「あと10年は行けますよ!」とお母さんに言ったら、あっさりと否定されてしまいました…。
赤坂酒場、大久保酒場、神谷酒場、長野屋酒場…
昔は「地名+酒場」と言う名店が数多く存在していましたが、その多くは2000年代に姿を消しました。
深川酒場もあと何年続くかわかりませんが、いつまでも残ってほしい金町の名酒場です。
深川酒場
住所:東京都葛飾区金町5丁目31-9
アクセス:京成金町線「京成金町駅」から徒歩2分
JR常磐線「金町駅」南口から徒歩2分
電話番号:03-3608-1515
営業時間:だいたい16:00-21:00
定休日:土日祝