金町というと、町に来たことのない人は下町の古い街並みをイメージするかもしれません。しかし金町駅南口を出ると、目の前にはタワーマンションがそびえ立っているのです。
意外にも新しい街並みに、はじめて来た人はびっくりするかもしれません。
でも、京成金町線の線路に沿って少し歩くと、あるんですねぇ…。
「これぞ下町!」という細い路地が…。
金町呑兵衛達のパラダイス「栄通り商店街」
京成金町線の踏切が、栄通り商店街のスタート地点。
踏切を渡ると、飲み屋だけでも20軒以上がひしめく栄通り商店街に入ります。
今日ご紹介するのは栄通りに入ってすぐ左手にあるこちらのお店。かもし処 ひょんです。
カウンター9席程の小さなお店なので、だいたいいつも満席です。
空いていたらラッキー。空いていなくても諦めるのはまだ早い。扉を開けると明るくチャーミングな女将さんが「席が空いたら電話しましょうか?」と言ってくれます。
こちらの電話番号を教えて、ほかのお店で一杯飲みながら電話がかかってくるのを待ちます。
若夫婦の人柄が滲み出る手作り料理の数々
しばらくすると女将さんから「席が空きましたよ!」の電話が。いざ入店です。
まずはサッポロのラガー、通称「赤星」で乾杯!
その日のメニューはホワイトボードに書いてあります。
お通しは、しらすとみょうがの卵とじです。
卵とじの優しい味に、ほっと心が落ち着きます。
こちらは、真鯛の刺身です。
ぷりぷりとした食感がたまりません。日本酒との相性も抜群です。
本日の焼き魚はブリカマでした。
脂がのっていて塩加減も絶妙!日本人に生まれて良かったと心から感じます。
福島出身のご夫婦が、金町にひょんをオープンしたのが2005年10月。
お二人の出身地、福島県双葉郡富岡町は福島第一原発のある浪江町のすぐお隣です。
東日本大震災のあと、お二人の母校である富岡高校が全国高校サッカー選手権大会に出場したとき、本当に喜んでいました。
福島のお酒を中心に豊富なラインナップ
さて、いよいよ日本酒です。ハーフサイズも注文でき、値段も半額になるので、いろいろなお酒を飲み比べたい人には嬉しいサービスです。
でもついつい飲み過ぎてしまわないよう注意も必要ですね。
まずは栃木のお酒、鳳凰美田をいただきます。
私が日本酒好きになったきっかけのお酒です。もちろん、ひょんで初めて飲みましたよ。フルーティーでとっても飲みやすいのです。
せっかくなので「福島のお酒をください」とお願いしたところ、女将さんが磐城壽(いわきことぶき)と廣戸川(ひろとがわ)を用意してくれました。
この磐城壽は、もともとは福島県の浪江町に酒蔵があり、杜氏はなんとお二人の同級生。
しかし東日本大震災で蔵は流されてしまいました。その後、ご縁があって山形で復活したという奇跡のお酒なのです。
ひょんには、磐城壽だけでもたくさんの種類があります。
福島だけでなく全国の選りすぐりのお酒が揃っています。
そして、ひょんでのシメといえば、名物の浪江焼きそば。
B級グルメ選手権にも出店した、浪江町のご当地グルメです。
吉田類の酒場放浪記でも吉田類さんがシメに頂いた、ひょんの鉄板料理です。
七味にんにくをかけていただくのが浪江流です。
明るくてチャーミングな女将さんと、寡黙ながら優しい人柄が滲み出ているご主人。
お二人の人柄から醸し出されるおだやかな空気がお店に満ち溢れています。
一見さんでも、誰でも温かく迎えてくれるひょん。ぜひ足を運んでみてください。
かもし処 ひょん
住所:東京都葛飾区金町5-35-7
アクセス:京成金町線「京成金町駅」から徒歩1分、JR常磐線「金町駅」南口から徒歩2分
電話番号:03-3608-8347
営業時間:17:00-23:00
定休日:不定休